人生100年時代の住宅ローンはこう選ぶ!
人生100年時代では、住宅ローンに対する考え方を変えなければいけません。
何故なら、住宅ローンが広がる人生の選択肢の足枷になってはいけないからです。
実際に住宅ローンを組んだ経験のある身として、また、金融マンの端くれとして、売り主であるデベロッパーが絶対に教えない住宅ローンの考え方を公開します。
目次
いくらまで借りられるのか?
マンションのモデルルームとかに行くと、ついつい想定以上の高値の物件に惹かれてしまいます。
そんな時に、ふと頭を過ぎるのは「いくらまで借りられるんだろう?」という発想です。(飽く迄も)理論上では10倍というコメントもありました。
住宅ローン金利1.2%(元利均等)、返済期間35年の場合、借入可能額は年収400万円なら3999万円、年収500万円なら4999万円になります。年収の約10倍が借りられる、という結果です。
引用元:ゼロリノベ
先に答えからいうと、一般的には年収の6倍くらいといわれています。もちろん、職種や背景にも影響されます。つまり、金融機関の審査次第です。
私は、年収の4倍程度でした。
人生100年時代の住宅ローンはいくら借りればいいの?
上で述べた年収の何倍というのはざっくりの基準です。
何故なら、年収は変動しますし、家族構成等の支出に影響を及ぼす要因も変わるからです。この変動は、人生100年時代になればなおさら大きく変動します。
ですので、年収の何倍ではなく、自分の人生設計を良く考慮する必要があります。特に考慮すべき要因を次に説明します。
実際に借りる金額は、これらの変動要因がMaxに変動しても返済可能な金額が借りるべき金額です。
人生100年時代で借入額を考える際に考慮すべき変動要因
①家族構成
結婚時期と育てる子供の人数により、支出額が大きく影響されます。
②将来年収
現在務めていれば、その会社の年収の変動幅。リカレント教育を予定しているのであれば、それまでに貯められる預金や退職金の見込。等々。
③リセールバリュー
購入する物件を将来売却した際の売却可能額。市場調査が必要です。
要するに、何らかの要因(地方で第二の人生等)で引越しが必要な場合を想定する必要があります。その際には、売却額で一括返済する必要があるからです。
④想定賃料
家族構成の変動や、リカレント教育期の生活費捻出が必要な場合等には、一旦、賃貸に出すという選択肢もあります。その際は、賃料からのローン返済が前提です。(金融機関によってはNGなので確認が必要です。)
頭金はどう考えるの?
住宅ローンのマーケットには、フルローンという考え方も存在します。要するに頭金0円ということです。
しかしながら、これは絶対にオススメしません。何故なら、頭金も貯められないような人が、ローン返済を苦労せずにできる可能性が低いからです。
【フルローンは危険の声】
住宅ローンを組む際には、かつては頭金が物件価格の2割以上は必要といわれていましたが、今では頭金ゼロでも住宅ローンが組める、いわゆるフルローンというものが提供されています。しかしながら住宅を購入する際には、頭金を用意するほうが安心です。リスクを踏まえたうえで、どの程度の頭金を用意するのか、いつ購入すべきかなどを検討しましょう。
引用元:LIFULL HOM’S HP
まずは頭金を貯めましょう。これはローン返済のための練習という位置づけです。
割合としては、物件価格の1~2割程度でいいと思います。
もう一つ重要な考え方
住宅ローンは借金です。借金というとネガティブな印象ですが、決してそんなことはありません。こう考えるのです。
「私のバランスシートで資産(物件)と負債(ローン)が両建てになっただけ。」
つまり、借金は背負ったけど、同等以上の資産も手に入れたと考えるべきです。
ここで、重要なのは、物件の価値は経年劣化等で徐々に減っていきます。一方、ローン残高も毎月の返済で少しずつ減っていきます。
物件価値の減り方が激しいと、バランスシート上では負債の比率がどんどん大きくなり、いつか債務超過(企業で言うと倒産寸前)に陥ります。この状態になると、人生100年時代で変身が必要な場面において、住宅ローンが足枷になってくるのです。
何が言いたいかと言うと、住宅ローンを活用する際には、如何に価値が減少しにくい物件を選ぶかということも大事なのです。
まとめ
いかがでしょう?人生100年時代では、最悪、定年退職金で返せばいいというものではないのです。
変身していくことを前提に、その時の足枷にならないように物件や金額を決めなければならないのです。