【不動産投資】クラウドファンディングってどう?
金融マンです。
不動産投資といっても、ご自身で生の不動産を買う方法もありますが、最近ではクラウドファンディングも流行っています。
しかし、はっきり言って私はオススメしません。(私見です。)
主な理由は、リスクとリターンが合わないと考えているからです。
実際に損した話は殆ど聞きませんが、それと以上にリターンも少ないです。
また、不動産クラウドファンディング事業者の実情についても少しお話します。
とはいえ、不動産クラウドファンディングの活用の仕方はあります。
これを読めば、不動産のクラウドファンディングで失敗や後悔が減らせます!
目次
クラウドファンディングとは?
解りやすく言うとこんな感じです。
群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語であり、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを意味する。ソーシャルファンディングとも呼ばれ、日本語では「クラファン」と略されることもある。
引用元:wikipedia
不動産分野でのクラウドファンディングとは?
不動産クラウドファンディングは2種類に分かれます。
不動産クラウドファンディング(貸付型)
個人投資家は不動産クラウドファンディング業者が運営するヴィークル(ペーパーカンパニーと考えてください)に出資をします。
そしてこのヴィークルから不動産を保有する別のヴィークル(この場合は事業法人の場合もあり)に貸付のかたちで資金提供します。
従って、不動産クラウドファンディング業者の貸金業免許で成り立っています。
特徴としては、個人投資家からは物件が見えない(特定されない)ということです。
何故なら、物件(融資対象)が見えてしまうと、個人投資家の皆さんが融資判断をしていることと同義となり、貸金業法に抵触してしまうからです。
不動産クラウドファンディング(投資型)
個人投資家は不動産を保有する専用のヴィークル(ペーパーカンパニーのみ)に直接、出資とういかたちで資金提供します。
これは、不動産クラウドファンディング業者の不動産特定共同事業法の許認可で成り立っています。
特徴としては、個人投資家からも物件が見える(特定できる)ということです。
そして、利回りも貸付型に比べると高い傾向にあります。
不動産クラウドファンディング業者の実情
不動産クラウドファンディング業者は、今や星の数ほどあります。
というのは言い過ぎですが、専業のベンチャー企業をはじめ、副業的に展開している大手不動産企業まで数多くあるのは間違いないです。
そして、私もいくつかの不動産クラウドファンディング業者と話してきたのですが、共通点が見えてきました。
- 不動産クラウドファンディング専業の事業者は、採算性の悪さに苦労している。
- 本業以外で不動産クラウドファンディングを展開している企業は、不動産クラウドファンディングを人寄せパンダとして活用している。
なんで採算性が悪いの?
理由はいろいろだけど、主な理由は日本の金融マーケット。
超低金利の金余りということです。
調達サイドとしては銀行で簡単に借りられます。
そうすると、クラウドファンディング上で個人投資家に魅力的な商品を作りにくいですよね。
そっか!
そうすると、無理して投資家への配当を増やすから採算が悪いんだね!
で、大手企業が人寄せパンダとして使う理由は?
不動産クラウドファンディングに興味がある個人ということは・・・
そうです。
生の不動産投資にも興味があったり、REIT投資にも興味がある人です。
ですので、本業である不動産売買に繋げたり、本業であるREITの投資口を買ってもらったり。
それが真の狙いなのです。
なぜ不動産クラウドファンディングをオススメしないのか
では、なぜ私が不動産クラウドファンディングをオススメしないのか。
理由は以下です。
(理由1)不動産クラウドファンディング(貸付型)は何に投資しているのか不透明
上でも説明したとおり、貸付型は投資先の不動産が見えません。
投資は博打ではありません。あなたの資金がどこで活躍しているのかは、常に見張っておく必要があります。
それが投資です。
さらに、不動産以外のリスクもテイクしています。
それは、不動産クラウドファンディング業者の信用リスクと貸付先(不動産を持っている先)の信用リスクです。
いくら優良な不動産(確認できませんが・・・)を持っている先に貸付をしていたとしても、その資金を仲介している会社のリスクが高ければ、その投資は危険極まりないです。
(理由2)不動産クラウドファンディング(投資型)はリスクリターンが合っていない可能性
では、投資型であれば、直接不動産に投資するのでOKでは?
とお思いの方もいるかと思います。
ところが、私が見てきた限りではそうとも言い切れません。
不動産クラウドファンディング(投資型)のホームページを見てみると、殆どの案件で「予定利回り」が書いてあります。
これは、もしこれ以上の利益(主に売却益)が出れば他の投資家(不動産クラウドファンディング業者を含む)の利益になります。
つまり、不動産というミドルリスクのアセットに投資しながらも、リターンが制限されていると考えていいでしょう。
もちろん、5%を超えてくるような案件であれば検討してもいいかもしれません。
要するに、どのポジション(リスク)に対するリターンなのかは、しっかりと精査する必要があるということです。
(理由3)そもそも日本ではビジネスとして未成熟
上でも説明したとおり、事業として苦労している企業が殆どです。
ということは、顧客である投資家にも十分にリターンを返せていないと考えるのが妥当なのです。
不動産クラウドファンディングの活用方法
とはいえ、活用方法はあります。
例えば、生の不動産投資をする前の練習とか。
他の投資と混ぜることで分散効果を期待するとか。
まとめ
いかがでしょう?
不動産クラウドファンディングはまだ始まったばかりですし、今の日本の金融マーケット下では苦戦しているビジネスです。
試しにやってみたりする分には賛成ですが、これを投資の主軸にするのはオススメしません。
それでも、丹念に探せば良質な案件があるのも事実として確認しています!
よい投資ライフを!