【不動産投資】グロス利回りは絶対に無視すべき理由
金融マンです。
今回は、不動産投資における特に初心者が陥りやすい失敗です。
不動産投資においては、グロス利回りというのは、ほぼ無意味です。
絶対に無視しましょう。
実際に、プロの不動産投資の業界でグロス利回りが会話に出ることは略ありません。
なぜ無視すべきかは、この記事を読んでいただければ理解できます。
これで、あなたも不動産投資の成功者に一歩近づきます。
目次
2種類の利回り
よく、不動産には2種類の利回りが存在すると言われます。
それは、グロス利回りとネット利回りです。
グロス利回りとは
いわゆる表面利回りのことです。
これは、文字通り表面的な利回りです。
数式にすると以下のようになります。
年間賃料 ÷ 物件購入額
この年間賃料には、毎月の賃料の他、更新料などの付随的な収入も含まれます。
ネット利回りとは
いわゆる実質利回りのことです。
これも、文字通り実質的な利回りです。
数式にすると以下のようになります。
(年間賃料 - 年間コスト) ÷ 物件購入額
この年間賃料はグロス利回りのときと同じ考え方です。
新しく年間コストの概念が入りましたね。
この年間コストには、維持管理費の他、固定資産税、都市計画税、及び水道光熱費なんかも含まれます。
グロス利回りを無視すべき理由
株式の利回りも 配当 ÷ 取得額 なので、グロス利回りで問題ないのでは?
そうではないですよ。
株式や債券であれば、その維持管理に要するコストは微々たるものです。
そしてどの株式でもどの債券でも、そのコストに大差ないのです。
なので無視してグロス利回りで比べても問題ないのです。
不動産も同じじゃないの?
不動産の場合は、その維持管理費等のコストは無視できないほど大きいです。
イメージですが、毎月の賃料の15~30%でしょうか。
そして、この比率というのは物件によって差があります。
ということは、コストも勘案した利回りが重要ということですね!
そうです!
なので、コストを無視したグロス利回りは無視すべきなのです。
なぜ不動産業者はグロス利回りを使いたがるのか
では、なぜ、不動産業者はグロス利回りを使いたがるのでしょう?
始めからネット利回りを教えてくれればいいのに・・・。
主な理由は2つあります。
- グロス利回りの方が高く表示されるので、投資家の目を引き易いため。
- 投資家によっては維持管理費を削るので、その金額の判断は投資家に委ねるため。
ここで、特に①が重要です。
例えば、年間賃料100万円の物件を1,000万円で購入した場合を考えてみましょう。
【グロス利回り】
100万円 ÷ 1,000蔓延 = 10.0%
【ネット利回り】
80万円(維持管理等コストを年間賃料の20%と想定) ÷ 1,000万円 = 8.5%
当然ながら、投資家の目を引きやすいのは、「10%」という数字です。
ちなみに、②ですが、これを効果的に下げるのも不動産投資家の腕の見せ所ですね。
不動産投資のプロが一番気にする利回りは?
では、プロの不動産投資家はネット利回りを見て投資するのでしょうか?
答えはNOです。
入口ではネット利回りで比較・検討しますが、最終的にはNCF利回りで判断します。
これについては下の記事を参照してください。
まとめ
いかがでしょう?
これでグロス利回りを無視するようになったのではないでしょうか?
あくまでもグロス利回りは投資家の皆さんの目を引くためのアイキャッチ程度に考えましょう。
そして、きちんとご自身の判断でネット利回りを把握し、最終的にはNCF利回りを計算してみることを強くお勧めします。