【不動産投資】REITって実際どう?
金融マンです。
不動産投資をお考えのみなさん、一度はREITへの投資も考えたのではないでしょうか?
しかし、不動産そのものへの投資とREITへの投資は全く異なるものです。
何故なら、投資している対象が似て非なると言っても過言ではないからです。
実際に、不動産投資で儲けてもREIT投資で損している人も多いはず。
この記事を読めば、不動産投資とREIT投資の違いが明確に解ります!
目次
REITとは?
このあたりの知識は、ネット上にいくらでも掲載されていますので、解りやすいものを引用させていただきます。
【REITとは】
投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当する商品で、一般的に「不動産投資信託」とよばれています。投資者は、REITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を享受することができます。
引用元:三井住友トラスト・アセットマネジメント
引用元:資産運用完全ガイド
REITのメリット
主に以下のメリットがあります。
①少額から投資が可能
REITに投資するということは、証券取引所に上場している投資口を証券会社を通じて購入するということです。
これは、10万円くらいから買い付けが可能なので、幅広い人に向いていると言えるでしょう。
②分散投資が可能
REITは、投資法人というペーパーカンパニーで多くの不動産を保有します。
ですので、一棟の不動産価値が下がったとしても、他の不動産に影響なければ分散効果が得られるのです。
③流動性が高い
要するに、証券取引所に上場しているので、いつでも換金可能ということです。
例えば、新型コロナが蔓延してきた場合に、即座に現金化できます。
REITのデメリット
もちろん、デメリットもあります。
❶値動きが激しい
メリットでも説明したとおり、証券取引所で売買できるのがREITです。
ということは、他の株式同様に値動きが激しくなる(=リスクが高くなる)ことも往々にしてあります。
❷不動産以外のリスクもいろいろと負っている
上の❶で述べたとおり、REITは証券取引所の値動きというリスクを負っています。
そして、それ以外にも例えば運営会社の運用能力のリスクや投資法人自体の倒産リスクも抱えています。
実際に、リーマンショック時に顕在化したリスクです。
REITへの投資は不動産への投資と何が違う?
そして、ここからが本題です。
で、不動産投資とは何が違うということ?
両方とも不動産へ投資という意味では同じ?
大きく分けこの2点ですね。
① そもそも投資対象が違う
② 追っているリスクが違う
そもそも投資対象が違う
生の不動産投資の場合、当然ながら投資対象はその不動産そのものでしかありません。
自己資金と銀行からの借入金を売り主に渡し、代わりに不動産の所有権を手に入れて投資が完了します。
これに対してREITでは投資口というものを買います。
この投資口を保有する意味というのは、多くの不動産のみを保有する会社の株主になったようなものです。
そうです。投資対象は不動産ではなくて投資法人という法人なのです。
でも、その投資法人の収益は不動産からの収益でしょ?
結局同じでは?
同じではないです。
上で説明したメリット・デメリットと関係する話です。
詳しく見ていきましょう。
負っているリスクが違う
メリット・デメリットのところでも書いたので金融に詳しい方ならすでに理解しているかもしれません。
生の不動産投資で追っているリスクというのは、対象不動産に関するリスクに限定されます。
対象不動産の家賃収入が減れば収益も減ります。安値でしか売れなければキャピタルゲインもありません。
これに対し、REITの場合は以下のようなリスクを負っています。
- 投資法人が保有する個々の不動産に関するリスク(生の不動産投資と同じリスク)
- 投資法人に起因するリスク(投資法人が資金調達に失敗するとか)
- 投資法人の運用会社に起因するリスク(物件の運用に失敗して配当が得られないとか)
- 上場市場に起因するリスク(日経平均につられてREITの価格も下がるとか)
つまり、負っているリスクが生の不動産投資と異なるところに注意が必要です。
ただし、メリットでも述べたとおり、分散投資や高流動性でかなりリスクが減少されています。
ですので、リスクの種類はREITの方が多いものの、リスク量としてはREITの方が少ないと言えるでしょう。
ここ、大事です。
REITの活用方法
REITは不動産投資というよりも、様々な投資(特に伝統的な投資)に対するオルタナティブ投資(代替的な投資)と考えるべきでしょう。
通常の株式や債券(伝統的な投資)とはやや異なる動きをするのがREIT(代替的な投資)です。
ですので、投資ポートフォリオを組み立てる際に、REITを組み入れることでより効果的に分散効果(リスク低減策)が得られるということです。
つまり、REITの活用方法としては、分散投資のための投資先として有望ということです。
まとめ
いかがでしょう?
この記事では、REITをディスっているわけではありません。
REITにはREITの良さがあります。
但し、生の不動産投資とは全く別物ということだけは覚えておいてください。
良い投資ライフを!